『2009年』半導体ランキングから

アイサプライから2009年の半導体ランキングの発表がありました。
記事はマイコミジャーナルのものですが、
25位まで掲載してくれるの有難いですね。

http://journal.mycom.co.jp/news/2010/03/23/057/index.html

おそらく、インテルサムスン・ハイニクス・東芝など、
プロセッサやメモリー関連の話題は色々なところで記事にされるでしょうから、
私は敢えて普段あまり取り上げられない会社について書いてみます。

DSPをメインに携帯電話や基地局向けLSIで売り上げを伸ばして来ましたが
ここ最近、メディアプロセッサのビジネス獲得が難しくなって来ている様です。
OMAP という DSP&ARMベースのメディアプロセッサのビジネスアプローチや
早くからの開発取り組みは良かったのですが、ここ最近 DSPチップコアを
持っている という利点は薄れてきているかもしれません。
NOKIAインテルと協力する方針を発表したので今後は厳しいかも・・・
アナログ製品やマイコンなど手広い商売をしているので
今後もランキングの上位には顔を出すでしょう。

  • 第5位 STMicro Electronics 『ヨーロッパでは以前強し』

私がこの業界に入った時には『SGSトムソン』という名前で
その当時からアナログ製品は強かった記憶があります。

日本では未だに知名度は低いですが、ヨーロッパでは
かなり有名な半導体総合メーカーであり、
フランスの「トムソン」とイタリアの「Societa Generale Semiconduttori
(SGS) Microelettronica」の合併後、トムソンが撤退し
STMicro Electronics という名前になりました。

STマイクロは総合半導体メーカーとして、かなり手広いビジネスを展開し
イメージセンサーや自動車用・宇宙用まで手がけています。
なかなか日本のメディアに取り上げられませんが
なかなか手ごわい会社という印象を持っています。

最近では、イタリア最大の太陽電池パネル製造工場に
エネル・グリーン・パワー(イタリア最大の電力会社)と
シャープとともに参加というニュースがありました。

Qualcomm については取り上げようかどうか悩んだのですが
何気に知らない人も結構いたりするので書いておきます。

CDMA携帯電話の開発に携わった経験がある人ならほぼ間違いなく
この会社の事を知っていることでしょう。
CDMAの基幹特許を所有していますし、アメリカのCDMAの標準規格は
この Qualcomm によって定義されたくらいですから。

Qualcomm 自体はファブレスであり、製造は TSMC
GLOBAL FOUNDRIES に委託しています。
昔は携帯端末部門や通信設備部門もありましたが
今はほぼ半導体&アプリケーション開発になっているようです。

CDMA用チップの開発において、Qualcomm の特許回避はほぼ不可避なため
ライセンス契約を結ぶしかない状況なのですが、その契約料も
かなりの額だと言う話で、ライセンス料を割引く変わりに契約先の特許を
自由に使用出来る契約を締結したり豪腕振りも目に付きますが、
技術力もかなり高いです、

CDMA に変わる技術が来ない限り、しばらく安泰と言ったところでしょうか?
日本では、去年の秋に公取委から排除措置命令は出ていますが
その後が気になる次第です。

  • 11位の Infinion Technologies についても書こうか悩んだのですが今回はこの辺で