半導体と言っても広い

久しぶりの更新となります。


ここ最近、仕事の方がかなり忙しく
たまに早く帰宅出来た時に Twitter で TL を眺めたり
ちょっとつぶらく位しか出来なかったのですが・・・
圧倒的にプロセッサ系(特にPC・サーバ向けやアプリケーション用)と
モリー系の話題が多いですね。


でも、半導体と一口に言っても、実はかなり製品の範囲が広く
全てを網羅している人はかなり少ないと思います。
いるとすれば、あらゆるボード設計を経験した人くらいでしょうか。


私自身も CMOSプロセスでのLSI設計経験は長いですが、
それ以外の高耐圧系や RF系のプロセスでの設計では
素人レベルになってしまいますし、
そういう人は結構いるのではないでしょうか?


同じCMOSでも携帯電話向けとTV向けのLSI開発に関わったことがありますが、
採用されるチップがかなり違う傾向になってしまいますし
求められる消費電力からパッケージ・チップの厚さやら色々です。


やはり、身近にある製品の中身に興味が沸き、
自然にプロセッサやメモリーの話題になるのでしょうか?
それとも市場規模が大きいものでしょうか?
どちらにせよ興味を持って頂けるのは有難い事です。


ただ、ファウンダリが出来、IPベンダーも多く存在するようになり
おまけにEDAツールの機能・性能も上がった事によって
昔に比べてチップ設計が行いやすくなったとは言えますが
その分検証項目や信頼性に対する要求も強くなり
顧客に採用されるレベルのチップを短期間・低コストで
仕上げるのは難しいと感じています。


さて、最初に切り出した半導体と言ってもかなり範囲が広いということで
多くの方が興味がある iPhone で使用されている
半導体チップを以下の情報から抜き出してみましょう。


http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0906/25/news031.html
http://journal.mycom.co.jp/articles/2007/07/19/InsideiPhone/index.html

だいたい以下の様な感じでしょうか?
(足りないものがあるかもしれませんが)

 ○アプリケーション・プロセッサ
 ○ベースバンド・プロセッサ
 ○フラッシュメモリ(NAND & NOR)
 ○DRAM
 ○無線(Bluetooth/FM /Wi-Fi)チップ
 ○無線送受信チップ
 ○オーディオコーデック&アンプ
 ○ディスプレイ・ドライバー
 ○電源レギュレータ
 ○電源管理IC
 ○GPSセンサー
 ○イメージセンサー
 ○3軸(コンパス)&温度センサー

3軸(コンパス)&温度センサーは AKM(旭化成エレクトロニクス)製のようですね。
AKM は昔から携帯向けのコンバータやセンサーなどでかなり採用されていたりします。


無線系のチップは日本でも開発しているものの
やはり海外の携帯などでの採用は苦戦しております。
理由はチップの性能自体では無く、
コスト・納期・カスタマイズ要求対応・サポート体制・
膨大な数量の安定出荷体制での差だと思われます。


アプリケーションプロセッサについては、
書き出すと長くなりますし、中途半端な情報や間違った事を
書いてしまうのもあれですので、今度機会があれば書いて見ます。


最後に自分自身の勉強のためにも
半導体製品の分類を書き出してみましたが
まだまだ不十分なところがありますね・・・
あくまでもご参考ということでお願いします。

  • プロセッサ系
    • MPU
    • GPU
    • DSP
    • MCU
    • 固有アプリケーション系
    • ベースバンド系
    • ISP系 (イメージ・シグナル・プロセッサ)
  • ロジック系
  • モリー
  • アナログ系
  • I/F系
  • ドライバー系
    • LCD
    • モーター系
    • リードチャネル系
  • RF系
    • 無線系
    • チューナー系
    • RFID
  • センサー系
    • イメージセンサ
    • GPS
    • 温度・加速度センサ
    • リニアセンサ